前回はコーチがクライアントの背中を押すことについて書きました。
今回は「閉塞感を打破すること」について書きます。
「背中を押す」というのが、行動を始めていないクライアントへのサポートとするなら、「閉塞感を打破する」というのは、行動を始めているクライアントへのサポートと言えます。
クライアント本人は行動したいと思っているのに、いろいろなバリヤーがあって先に進めない。本人が壁にぶち当たってもがいている状態です。
いろいろ考えて打開策を考えるのだが、いい案が無い状況です。
そこでのコーチの役割はコンサルテーションではありません。あくまでもクライアントの中にある解を引き出すことなのです。引き出すという意味では「モヤモヤ間をクリアにする」と近いのですが、閉塞感の打破はクライアント自身が意識していないものを引き出すところにあります。
クライアントが持つ素材
壁を越えるためのアイデアは実はクライアントの中にあります。もう少し正確に言うと、アイデアの素材がクライアントの中にあります。
クライアントの頭の中では「アイデア」になっていないので気が付いていません。コーチがクライアントへ問いかけをすることで素材が引き出され、ある瞬間にそれが「アイデア」に変わります。これを「気づき」と呼んでいます。
これは体験してもらわないと分からないことですが、あるタイミングで「そう言えば…」「そう言われてみると…」みたいな感じでクライアントの頭の中にひらめくのです(私自身もクライアントになった事があるので実体験です)。
コーチが素材を生み出すことはありませんが、素材を引き出したりそれらを組み合わせる手助けをします。クライアントとコーチとのコミュニケーションを通じて、クライアント自身が自分が気づいていない素材を発見し、アイデアを生み出し、壁を乗り越え、先に進むのです。