部下に仕事を頼むと、今度は報告を待つことになります。
仕事が順調にいけばいいのですが、そうでなかった場合、報告は部下にとって憂鬱な物になります。
よくあるのが、上手くいかなかった理由が延々と続くというものです。
部下からすると、報告の準備(?)としてこの理由をどのように言うかということを一所懸命考えます。
何を隠そう、私だってそうします。
あまり建設的ではありませんし、お互いにとっていいコミュニケーションとも言えません。
情報過多時代を泳ぎ切るための「自分から教わる」6つの心得
教わったことをモノにするキモは、教わったとおりに実際にやってみて、その結果を確認してみること。著者はこれを「検証」と呼んでいますが、自分で確認するのでは本当にできているかどうか怪しい、ということもあるでしょう。
そこで、紹介されているのが次の方法。
実は、上手に検証してもらうコツはいたって単純です。教えてくれた人に「結果」をぶつければよいのです。「理屈」ではなく、「結果」をぶつけるのです。「○○してみたところ、△△という結果になりました。なぜでしょうか」と聞くことです。
(中略)
結果を伝えるだけなら、ああだこうだと、理屈を考えなくてすみますし、聞かれたほうも答えやすいのです。
「うまく伝えなければ!」というプレッシャーが強すぎると競り負けてしまうものです。「変な顔をされたらどうしよう」とか「バカだと思われたくないしな」といったネガティブな予感も、足を引っ張るでしょう。
でも、動かざる事実である「結果」を伝えるだけならバカにされることはないはずです。
引用した記事は、学び方の心得のような内容ですが、引用した部分に仕事の報告に関するヒントがあると思いました。
結果をまず聞く
引用した記事とは逆の立場になりますが、部下に仕事を頼むときに
「報告する時は、まず結果だけを聞かせて欲しいから」
と伏線を敷いておきます。
こうすることで、上手くいかなかった場合に言い訳を考えさせないように仕向けます。
実際に報告に来たときには、本当に
「で、結果を教えて?」
と尋ねます。
「○○○が目標でしたが、結果はxxxでした。」
と回答が帰ってきたら、ここからが上司の腕の見せ所です。
ここは間髪を入れず、上司が喋り始めます。
「そうかxxxだったのか…。ちなみに…」
といった感じで、質問をしながら上司が仕事が失敗した背景を聞き出します。
重要なポイントは、こちらが質問をして主導権を握ることで、相手から引き出したいものをコントロールするところにあります。
部下に無駄な説明を考えさせる時間を省き、上司が知るべき事を知って、適切な対応を取ります。
部下との関係性が重要
この手法は関係性が良い部下に対して使うべきです。
そして、質問はあくまで質問であって「詰問」をしてはいけません。
最初に「結果を教えて」と言っているので、関係性が良くない部下に対して行うと、結果から詰問されることに反発する可能性があります。
もちろん、背景を聞き出した後に指導すべき事が分かれば、そこは冷静に指導すべきです。ただ、余程のことが無い限り「叱責」はしないほうがいいでしょう。
永続的ではない
この方法はずっと続けるべきでもありません。
このやり方は、上司が適切な質問をして会話をスムーズに進めることで、部下に正しい報告方法、つまりは上司が聞きたいことを報告するということを学んでもらうことにあります。
そのためには徐々に質問形式から「それで?」のように、相手に発言を促すようなやりかたに切り替えていくべきです。
部下との報告に関わるコミュニケーションが上手くいっていないと感じたら試してみてください。