後輩や部下を指導する時のあるある話です。
いつまでも「ああしなさい」「こうしなさい」とやり方を伝えていませんか?
また「どうしたらいいでしょう?」と聞きに来た後輩に、いつまでもやり方のアドバイスをしていませんか?
人に頼られると、確かに気持ちいいですよね。自分が役に立っている気もしますしね。
でもこれを続けていると、やがて後輩や部下の成長が鈍化してしまいます。
仕事のやり方や、困った時の対応のやり方は、いつも先輩や上司が助けてくれると思ってしまうと、自分で考える力が伸びなくなってしまいます。
では、どうするか?
知らないふりをする
「ウ~ン、私にもわならないな〜。どうすればいいと思う?」
実際は何らかの答やヒントを持っていたとしても、あえて知らない振りをして、このように答えてみます。
そこで突き放すのではなく、一緒に考えるような雰囲気を出します。
「〜の場合はどうしたらいいと思う?」
「あなたならどうする?」
人間、こう聞かれると、不思議と考え始めるものです。
質問したら、何か相手が何か言うまで我慢強く待ちます。
相手があまりにも何も言わず、黙って考えこんでいるなら、何か思いついた振りをしてヒントを与えてもいいですが、答までは言わないでおきます。
粘りに粘って答を引き出しましょう。
相手が考えた末の回答が自分の考えと違っていたり、明らかに不正解でも理解を示して、一度受け入れます。その瞬間には否定しません。
不正解の場合は、相手が間違いに気づくように質問を続けます。
「もしそうしたら、xxの場合はどうなるだろう?」
ここでも知らないふりを続けます。そして、後輩が自分で正解を見つけるまで繰り返します。
もちろん仕事なので、正解が出るまで永遠に続けることはできないでしょう。でも、途中まででも、やる価値はあります。
実はこれはティーチング(指導)の中でコーチングの考え方を利用している例なんですね。
ちなみにコーチングでは、コーチは「ふり」ではなく本当に答を知りません。答は必ずクライアントの中にあることを信じるからです。