本で見かけた言葉なのですが、いい捉えどころだなと思ったので紹介します。
何かを商品を企画する時は、それに詳しいからこそ企画している訳です。
ただ、どうしても詳しいだけに視点が特定のポイントにフォーカスされ続けたり、それゆえ視野が狭くなってしまうというリスクがあります。
どちらかというと、掘り下げる方向(より高い価値)に意識が向きがちです。
一方で、その商品を購入する人は誰かということをもう一度確認してみましょう。
多くの商品は、「専門家」ではない人がターゲットではないでしょうか?
そのような人に、あまりに掘り下げた価値を示しても、難しすぎて価値を認識してもらえなかったり、興味を持ってもらえません。
ターゲットの顧客層が普通の人であるなら、その人達が求めているのはどんな価値なのか?
少し前の家電機器のように、やたらと機能が多すぎて、多くの人に取って使いにくいものが出来上がってしまったというのも、この一例だと私は思います。
誤解の無いように補足しておくと、普通の人が「知らないもの」がダメではありません。むしろ「気づいていないもの」は大きな価値になります。
「知っている」「知らない」ではなく「レベル感」だと言えます。
普通の人が分かる「レベル」で「気づいていないもの」はとても大きな価値です。
これが「素人目線で着想する」ということだと私は理解しました。
そういうレベル感の価値をゴールに設定して、玄人の考え方でそれをどうやって実現するか考えていくわけです。
ダイソンの扇風機などはいい例だと思います。
小さな子供さんとかペットがいる家だと、羽根が回る扇風機は危険ですよね。
安全に風を生み出すにはどうすればいいか?という素人の素朴な着想を、羽根を使わずに風を起こすという玄人の実現方式で考えたわけです。
(実際は、本体の中に見えない小さな羽根があるみたいですけどね。)
新しい事を考えるときに、着想点が極端に玄人目線に行っていないかということを、ポイントポイントでチェックすることは重要ですね。
さもないと、すごいんだけど、誰にも理解してもらえないという状況になってしまいますよ。