「解像度が高い人」という言葉を聞いたことがありますか?
「解像度を上げる」という書籍が出版されており、ここが出発点だと思います。
ネットによると、解像度が高い状態とは「顧客の状況や課題、次に行なうべき打ち手が鮮明に細かく見えている」状態とのことです。
そして、解像度を考える時には、深さ、広さ、構造、時間という視点で整理するとよいと書かれています。
課題解決
私は課題解決セミナーというものを開催しています。
そして、私のセミナーでは以下のような話をさせていただいてます。
- 視野と視座を意識して広く情報を見ましょう。
- 情報を見る時は、目に入る、わかっているものだけでは十分ではありません。見えていないけどその情報に繋がっているものを探して、そのつながりも意識しましょう。
- 物事はすべて繋がっています。「時間の流れの中」で、情報や作業の流れを意識しましょう。
- 根本的な課題を見つけるために掘り下げましょう。
こういうことを、キーポイントと捉えて解説をしています。
解像度の課題解決のアナロジー
さて、解像度の整理ポイントを見ていて、課題解決のポイントとアナロジーがあることに、あらためて気が付きました。
以下、個別に説明していきたいと思います。
解像度の「広さ」と課題解決の「視野/視座」
課題に取り組むには、広い視野と高い視座が必要です。
解決を考える上で、どうしても課題そのものに視点が集中してしまいます。でも、実はそれはよくないのです。
課題の本質を探るには、課題そのものだけではなく、それを取り巻く様々な事実を俯瞰する必要があるからです。
「視野」で平面の広がりを意識し、「視座」で視点の高さを意識してもらいます。つまり3次元での「広さ」ですね。
解像度の「構造」と課題解決の「事実のつながり」
課題解決では、見つけた情報にどのような関連性があるのかを整理します。
そのようにして、あえてつながりを意識すると、さらに、いままで見えていなかったものに気がつくようになります。
「あれ?ここに流通業者が関係しているなら、こっちにも関係しているのでは?」という感じです。
これを続けていると、課題を取り巻く全体の「構造」が見えてくるんですよ。
解像度の「時間」と課題解決の「情報の流れ」
構造とそのつながりが見えてくると、今度は時系列で考えることができるようになります。
仮にあるポイントを変更すると、他にその影響がどのように及ぶことをあらかじめ予測することができるようになります。
自部門で良かれと思ってやった改善策が、前工程や後工程に悪影響を及ぼし、課題解決の観点では全体最適にはならない例はよくある失敗例です。
影響を予測できれば、この失敗を防ぐことができます。
解像度の「深さ」と課題解決の「掘り下げ」
課題解決では、最初に見えた表面的な課題に直接対応を打ってはいけません。それを引き起こしてる根本的な課題を探さないといけないのです。
どうやって、根本的な課題を探すか?
それは、まさにトヨタの「なぜ、なぜ」を使います。
「なぜ、それがその課題が発生するのか?」
この疑問をぶつけて、課題をどんどん掘り下げてどんどん深くしていくのです。ここに「深さ」が関連しています。
つまり…
こうして見ると、課題解決のプロセスは解像度を上げていく活動そのものだということに気がつきました。
はじめはボンヤリしていた課題が、解像度が上がるにしたがって、どんどん具体化されてくっきり見えてくるイメージです。
課題解決スキルを上げていくには、解像度に関する書籍も読んだほうがいいですね。