その際、チームメンバーが目的を共有することが重要ですが、この「共有」という概念には深い意味があります。
「知っている」だけでは不十分:真の「共有」とは何か
多くの場合、チームメンバーはプロジェクトやチームの目的を「知っている」状態にあります。
しかし、単に「知っている」だけでは、真の「共有」とは言えません。真の「共有」とは、メンバー全員が目的を「肚に落とした」状態を指します。
この「肚に落ちる」とは、情報や目的がただ知識として受け入れられるのではなく、感覚や直感として理解されることを指します。
メンバーが目的が肚に落ちた時、それはまだ完全な同意ではないかもしれませんが、一歩手前の段階とは言えます。
ちなみに、肚に落ちていない目的に対しては、行動に移す意欲がわきません。
「肚落ち」を促すための徹底的な議論
では、どのようにすればメンバーの「肚落ち」を促すことができるのでしょうか?
その鍵は、徹底的な議論にあります。
チームメンバー一人ひとりが、自分の考える「目的」について明確に説明し、同時に他のメンバーが考える「目的」にも耳を傾ける必要があります。
これは、「受け入れなくてもいいから受け止める」という考え方と似ています。互いの意見を尊重し、理解しようと努めることで、共通認識が生まれ、「胎に落ちる」感覚が生まれるのです。
「問題・ありたい姿・課題」の共有
チーム活動では、「問題・ありたい姿・課題」の3つを共有することも重要です。
- 問題: 現状における課題や問題点を明確にする
- ありたい姿: 将来的な目標や理想の状態を具体的に描く
- 課題: 目標達成に向けて解決すべき具体的な課題を洗い出す
これらの要素を共有することで、チーム全体の方向性と目標が明確になります。
もし、「チームコーチング」の実行を考えているならば、目的だけではなく、この3つもしっかり共有しておくことが不可欠な要素になります。
チームコーチングでは、まず現状における問題点を明確にすることから始めます。「問題・ありたい姿・課題」を共有することで、チーム全体で共通認識を持ち、目標達成に向けて具体的な行動計画を立てることができるようになります。
まとめ
チーム活動における「目的共有」は、メンバーの「肚落ち」を促し、チームワークを向上させるために不可欠な要素です。徹底的な議論を通して「受け入れなくてもいいから受け止める」姿勢でコミュニケーションを図ります。
加えて「問題・ありたい姿・課題」の共有を促進することで、チーム全体が同じ目標に向かって邁進できる環境を作り出すことができます。
マネージャーとして、チームメンバー一人ひとりの意見を尊重し、積極的にコミュニケーションを図ることで、「肚落ち」を促し、チーム活動を最適化することが、業績向上へとつながるはずです。