
コーチやコンサル、カウンセラーはコミュニケーション能力が求められます。
相手の言っていることを、まず「受け止める」必要があります。さもないと、相手との信頼関係を構築することができないからです。
ただ、受け止めた後の進め方は3つの職種でそれぞれ違いますけどね。
その違いは今日のテーマでは無いので、置いておきます。
相手の言葉を受け止める
受け止めるというのは、同意することとは違います。
以下のAさんとBさんの会話で比較してみましょう
A: xxさんって、いやな人だと思わない?
- B1: へー、Aさんはそう思ってるんだ
- B2: いや。思わないよ。
- B3: 人の悪口を言うものじゃ無いよ
B1パターンは、Aさん自身がxxさんのことどう思っているかとは無関係に、Aさんの発言を受け止めています。
B2パターンは、Aさんの意見に合意できないので、否定しています。
ちなみにB3パターンは、自分のポリシーに合わないので、別の観点からAさんそのものを否定しています。
ちょっと極端な例ですが、このように並べてみると違いがよく分かりますよね。
そして、明らかにコミュニケーション的にはB1が一番スムーズです。
B2だと、そこで話が終わってしまいます。
B3にいたっては、ケンカになるかもしれません。
どうやって相手の言葉を受け止めるか?
自分の周りに「膜」があると思ってください。
その中に「核」があります。それは自分の価値観であり、ポリシーだと思ってもらっていいです。したがって、人それぞれ形が異なります。
人とコミュニケーションを取るときは、「核」が直接相手に触れるのでは無く、「膜」を隔てて触れることをイメージしてください。
膜が薄かったり、堅かったりすると、相手の言葉が自分の核に直接ぶつかります。
ぶつかったときに、相手の言葉が自分の核に受け入れられるものなら、取り込むのですが、そうでないならはねのけてしまいます。
はねのけた言葉はそのまま相手に戻って相手にぶつかってしまいます。
つまり、コミュニケーションがうまく取れていない状態です。
一方、膜が分厚くて柔らかいと、相手の言葉は核に直接ぶつからないで膜の中で一旦止まります。核が受け入れるかどうかは自由です。受け入れなくても膜の中で留まっているので、相手に戻っていきません。
これは、コミュニケーションが潤滑に取れている状況です。
わたしも昔はそうでした。あいての価値観がどんどん自分にぶつかってくるので、その都度「それはそうじゃない」とびしびしと直球で投げ返していました。当然、信頼関係は生まれません。
膜を厚く、柔らかくするには
もちろん、そうしようと意識することが一番です。
わたしも、まずは相手の言うことをまずは聞くだけ聞こうと常に意識しています。
その上でですが、いろいろな人のいろいろな意見を聞く(話をする)ということが大事だと分かりました。
いろんな方向から、いろんな言葉が膜にぶつかることで、膜が全体的に分厚くなっていくイメージです。
もし、ご自分の膜が薄いと思っていらっしゃる方がいたら、まずは聴くだけ聞いてください。内心「そんなことはないだろう」と思っていても、我慢して「へー、へー」と相づちだけでも打ってください。
そして最後に「どうしてそう思うの?」と聞いてみてください。コミュニケーションは続きますし、もしかするとあなたが合意できる何かが出てくるかもしれませんよ。