部下や後輩に対して「指示する」「教育する」よりレベルが高い手法は「引き出す」です。
- やるべき事や、やり方を伝える「指示」。
- 後に、自分でもできるようにする「教育」。
これらより、自分も相手もハードルが高いのが「引き出す」。
「引き出す」は、「何をやるか?」「どうやってやるか?」を相手に考えてもらうということです。
教えてもらわずに独力で考える必要があるので、相手も大変です。
でも、うまく引き出すことができたら、相手のレベルはかならず一段上がります。さらに、考え方をマスターしたので、ちょっと異なる課題にも対応力が増します。
一方、自分も大変です。答えを知っていても、「言わない」ことが必要になってきます。
相手から答を「引き出す」ためには、当たり前ですが話してもらう必要があります。
話してもらうには、相手に質問しなければいけません。質問なら何でもいいという訳ではなく、相手が答えに気がつくような質問をしなければいけません。
相手の思考を読む
そのためには、相手の答をよーく聴いて、相手が何を考えているかを自分も理解するようにします。そして、
相手の考えが正しい方向に向かっているなら、深ぼる質問をします。
「それって、どういうこと?」
「具体的に言うとどういうことなんだろう?」
もし間違っていたら、方向を少し変える質問をします。
例えば、相手の思考が東に向かっていたら、東南とか北東の方から質問する感じ。
「なるほど…。それって効率の観点から見たらどうなる?」
「そのセールストークは、お客さんの今のお困りごととどういう関連性があるんだろう?」
こんな感じです。直接答は言っていませんが、誘導はしてますね。
でも、これで相手が何かに気づいて方向修正をすればゴールに近づきます。
誘導にはリスクがある
これには致命的な欠点があります。
誘導している自分が常に正しいとは限らないということです。
経験が豊富な方が正しい可能性は高いですが、でも100%ではありません。
さらにもう一段上の方法
「引き出す」のもう一段上の方法は、「誘導せずに引き出す」です。
自分も経験や先入観を捨てて、0から一緒にスタートする方法です。
あらかじめ答を持っていないので、質問は純粋な質問です。そして自分の意見はあえて言わずに、質問をして「引き出す」事に専念します。
最終的に、相手から引き出した考えに、自分も納得できれば大成功です。
ちなみにコーチングでは誘導をしません。クライアントの答が常に正しいと信じます。
最後のパターンに近いですが、まだちょっと違いますね。
でもコーチングのスキルは十分に使えますよ。