
研修のアプローチ
最近、日本企業と海外企業の社員研修におけるアプローチの違いについて聞きました。
日本企業では、一般的に研修は同じ世代や同じ業務の社員がまとまって受講することが多いです。これには、機会均等や平等感がありますし、全員が同じレベルのスキルを身につけられます。私自身もそうでした。
ただし、これが逆に各個人の特性や長所を引き出すのには限界があるのではないかと私は思います。
一方、海外企業は優秀な人材に焦点を当てて研修を行う傾向があるとのことです。
チーム編成のアプローチ
もう一つ、プロジェクトでのチーム編成においても、日本と海外では違いがあるようです。
私が読んだ「チームコーチング」という本では、海外企業は役割に応じて最適なメンバーを集め、お互いの得意分野を最大限に活かすことを重視しているとありました。
一方、日本企業ではメンバーをまず集めてから、役割分担をするの一般的ではないでしょうか?
この日本企業のアプローチは、研修のアプローチと関連していると私には思えます。つまり、社員が平均的なスキルを持っているので、役割分担ができるということです。
比較すると、海外のアプローチの方がチーム全体としての能力向上に寄与していると思われます。
このことから、日本企業がより効果的な研修を進めることで、競争力があがるのではないかと考えてみました。
社員の適性に応じた研修
日本企業の研修にも海外風のエッセンスを取り入れてみてはどうでしょうか?
すべての社員に同じ研修を行うのではなく、上司が部下の適性を見て、個々に最適な研修をアサインするアプローチです。
つまり、「全員が同じ」でも「優秀な人だけ」でもなく、「全員がその人の得意な領域にあった」研修を受けるという案です。
これにより各自の能力は領域によって凸凹が発生しますが、各人の強みが最大限に引き出され、チームとして活動する時に、企業全体の競争力が向上することが期待できます。
上司と部下の関係強化
上司が部下の適性を見極め、適切な研修を提供する制度は、上司と部下の関係を強化することにもなります。
つまり、上司と部下が適切なコミュニケーションを図ることで、互いの期待や目標を理解することに繋がります。そこで初めて適切な研修をアサインできることになるからです。
考慮すべき課題
一方で、このアプローチには課題もあります。
上司が部下ごとに異なる研修をアサインすることに対して、部下自身がどのように捉えるか、本人のやる気にどのように影響するかといった課題です。
例えば、「どうして、私にはあの研修を受けさせてくれないのだろう?何か問題があるのだろうか?」のような不安です。
そのためには上記のコミュニケーションがとても大事であり、適切なフォローアップやフィードバックシステムの導入が必要だと考えられます。
結論
日本企業が研修制度を見直すことで、各社員が自身の得意分野で輝けるようになり、企業全体の競争力向上につながると思います。
制度の導入には課題が伴いますが、その克服を通じてより強いチームが築かれるのではないでしょうか。