相手を変えずにまず自分が変わる:効果的な対立回避の秘訣

イソップ寓話の北風のように相手に無理強いをするとうまくいかない。相手が自分で行動を起こすきっかけを与える。

ビジネスの現場では、時折協力が必要な相手との調整が難しい場面に遭遇することがあります。

相手を無理に変えようとすると、かえって対立が生まれることもあります。

そこで、イソップ寓話の「北風と太陽」のように、相手を無理に変えるのではない方法について書きたいと思います。

イソップ寓話の要約

寓話では、北風と太陽が力比べを繰り広げます。彼らは旅人が寒さで身を固くしているのを見て、どちらが旅人をコートを脱がせることができるか競争します。北風は力強く吹きつけますが、旅人は逆にコートを固くしめます。太陽は穏やかな光を放ち、温かさを提供すると、旅人は自然とコートを脱ぎ捨てます。

http://hukumusume.com/douwa/betu/aesop/09/18.htm

つまり、北風のように相手を無理に変えようとするのではなく、太陽のように相手が自ら変わってもらうようにします。

では、どうすればいいでしょうか? それは次の3ステップで行います。

Step1:まず自分自身が変わる。
Step2:自分が変わって新たな視点で相手に接すると、相手に気づきが生まれる。
Step3:相手の気づきが相手自身の変化を引き起こす。

以下で具体的に説明します。

自分を変える方法

相手に対する自分の意識と行動を見直す

まず、相手に対する意識と行動を冷静に見つめ直しましょう。

  • 自分の思い込みや先入観が関与していないか、客観的に確認する。
  • 相手の背後にある考えや事情を理解しようとする姿勢を持つ。
  • 相手の性格を決めつけない。

このように、相手に対する前提をなくすことで、新たな理解が生まれることがあります。

相手との対話と理解を重視する

  • 相手が思っていることを確認する。
  • 相手の思いを理解したことを相手に伝える

相手の考えや言い分を理解することは必ずしも同意することではありません
「なるほど、XXさんはそう考えているわけだ」と相手の立場を尊重することです。

相手に気づいてもらう方法

共通の課題に焦点を当てるようにします。

「あなた(相手)にxxxして欲しい」

というのは共通の課題ではありません。例えば

「プロジェクトが納期遅れになりそう」

などが共通の課題です。つまり主語は「相手」ではありません。

そして、この課題に対する対策について、対等な立場で真面目に相談してください。

相手が変わる

相手が課題に正面から取り組んでくれれば、相手の思考が変わり、結果として言動が変わって行きます。

このパターンでは他人から強制的に変えようとされた、もしくは変えさせられたのではありません。自分で気づいて変えたので、納得感を持って次の行動に移ってもらえます。

このように、相手だけを変えようとするのではなく、共に変わるように仕向けましょう。共通の目標に向かって行動することで、より良い結果が得られるようになります。

私の反省…

実は私はこのようなケースで過去、失敗した経験があります。

相手を変えようとして説得し、従ってもらうようにルールも作りました。
でも結局はうまくいきませんでした。

このやり方は遠回りのようですが、長期的にはうまく行きました。

悩んでいる方、ぜひ試してみてください。